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  • 京都中小企業家同友会事務局
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今期活動方針

2020年度スローガン

「今こそ!! 強靭な中小企業をつくろう」

基本方針

当会の活動や運動の大前提は、会の「三つの目的」で一致した「学び実践する経営者の組織」だという点にあります。支部例会をはじめとするすべての分野の活動で「三つの目的」を基礎とした「学びあう例会」を土台とし、「顔と企業が見える」交流を促進しながら、「心から話し合える仲間」を増やしてきました。また、企業経営の根幹である経営理念の確立をはじめ、「人間尊重の経営」「中小企業における労使関係の見解」の観点での経営指針の成文化と社内での共有、そして社外への発信による自社の社会的な位置づけの明確化なども重視して取り組んでいます。

私たちは、これまでの活動や運動によって蓄積してきた経験や教訓を糧に、会員各社の強固な経営基盤を築き、構造転換を乗り切って京都経済・地域社会を支える企業と同友会をつくるよう歩をすすめます。様々な社会的課題が山積する中で、一企業の経営改善のみを目的とするのでなく、地域・社会に広く目を向け、事業活動を通じて人々の豊かで安定した暮らしを守れるよう力を発揮することが求められています。そして、その役割に応えられるだけの、しっかりした企業づくりが必要な時であることを自覚します。またこのような観点で、支部例会をはじめとするすべての分野の活動で、企業・地域・同友会をよりよいものにしていきます。

近年の経済・社会の構造転換は予測が難しく、中小企業にとっては何が起きても不思議ではない混迷の時代だと言えますが、私たちが掲げる経営理念や同友会理念は、時々の状況によって揺らぐものではありません。時代の変化を読み解き、理念を実践に結びつける企業活動、同友会運動を力強くすすめることが求められています。中小企業をめぐる国内外の経済情勢を掴み、時代認識を深めていくことでこれからの企業経営の方向性を指し示す確固たる羅針盤(経営指針)を確立していきます。IoT、AIなど今日の技術革新の流れの中で情報通信技術(ICT)が社会経済の構造を一変させるような時代となり、また、2015年に国連サミットで採択されたSDGs(持続可能な開発目標)【注1】が世界的な潮流となってきており、そうした社会情勢の変化に適応した企業づくりを推し進めていくことが重要になっています。当会の緊急提言「第二の創業を目指して」(2002年)では、時代状況を「成り行き経営では経営基盤が崩壊する時期であり、創業的発想で事業を見直し、再構築する時」だと指摘しましたが、あらためてこの観点をもつことが必要です。

新型コロナウイルス感染症の影響が、急激に広がり、中小企業は大きな打撃を受けています。当会がおこなった緊急アンケート調査でも、「マイナスの影響を受けている」もしくは「受けるであろう」と答えた会員が8割を超えるなど深刻な局面を迎え、しかもいつ終息するかが不明確で影響が長期化することが予想されます。どのような困難があっても経営者には経営を維持し発展させる責任があるという同友会の「労使見解」の姿勢を貫き、断固たる覚悟と意思でこの難局を乗り切りましょう。当会としても多くの会員の実情・実態に即した支援施策を関係諸機関に求めていきます。

今後さらに大きな時代の変化が予想される中で、新たな時代を生き抜くための羅針盤となる運動が期待されています。また、京都経済界の新たな拠点として建設された「京都経済センター」へ昨年2月に事務所移転をおこなったことにより、関係諸機関や各団体との連携の幅が拡がり、よりいっそうの期待が寄せられると同時に、発展的取り組みが求められます。

「中小企業憲章」(2010年6月18日閣議決定)では、その冒頭において「中小企業は、経済を牽引する力であり、社会の主役である。常に時代の先駆けとして積極果敢に挑戦を続け、多くの難局に遭っても、これを乗り越えてきた」と位置付けています。私たちはここに誇りをもち、全会の取り組みで、“地域になくてはならない企業”を目指し、“頼れる経営者団体”としてさらに成長していきましょう。

私たちが進めていく同友会運動は、時代とともに評価も高まり、新しい時代に向けて期待も高まっています。その期待に応えていくのは私たち会員一人ひとりです。いかなる経営環境においても経営者の責任を自覚し、人を生かす経営の総合実践により、社員一人ひとりが持つ能力が最大限に発揮される環境を整え、活力に満ちた強靭な企業体質をつくりましょう。そして地域への影響力をさらに高めるために、地域の多くの経営者にも声を掛け、仲間の輪を広げ、豊かな地域社会の持続的発展に寄与していきましょう。

 

【注1】 SDGs(持続可能な開発目標)
2015年9月の国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」にて記載された2016年から2030年までの国際目標です。格差の問題、持続可能な消費や生産、気候変動対策、平和と公正など、先進国が自らの国内で取り組まねばならない課題を含む全ての国に適用される普遍的(ユニバーサル)な目標で17のゴール・169のターゲットから構成され,地球上の誰一人として取り残さない(leave no one behind)ことを誓っています。

重点方針

経営力強化(企業づくり)

「労使見解」に学び、人を生かす経営【注2】の総合実践【注3】で、黒字企業づくりをすすめよう

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「第7次ビジョン」が示す企業像の実現に向けて、経営指針成文化の推進と実践を強化します

a) 第4期「人を生かす経営」実践塾(経営指針成文化講座)の開講
これまで3期に渡り開催してきた「人を生かす経営」実践塾の成果と課題を明確にして、第7次ビジョンに則して経営指針を成文化し、実践をすすめる会員を増やします。今期は約170名の修了を目指します。
b) 支部例会と専門委員会などが設営する研修活動で、経営指針書の成文化と実践、見直しの取り組みを強化します。その過程で、『人を生かす経営』、『経営指針成文化と実践の手引き』、『働く環境づくりの手引き』『企業変革支援プログラムSTEP1、STEP2』の活用と普及を経営指針成文化の実践と捉えて成文化率の向上とともに推進していきます。
c) 国内外の経済情勢等を学ぶ機会を各関係諸機関とも連携して増やし、そのもとで自社経営がどうあるべきなのか、大きな視野でこれからの経営を考え、変化に適応した企業づくりを推し進めていく一助となる取り組みを強めます。 

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支部例会や研修活動でお互いの経営を語り合いましょう

a) 支部例会は会員にとって身近に同友会の魅力が実感できる場です。会員の経営実践事例の報告を中心に会員同士がお互いの気づきを伝え合い、経営課題を探り、向き合える場としていきましょう。
b) 支部例会等で経営体験報告などの依頼があれば、自らの経営をあらためて見つめ直しさらに発展させていく機会と捉えて積極的に引き受けましょう。その際、自社や業界を取り巻く経営環境についても盛り込むようにしましょう。
c) 専門委員会は、日常活動を通じて経営課題に関わる情報提供をおこない、支部例会の充実・強化をはかるためにサポートをすすめます。また、各支部は積極的に委員会登録をすすめ、情報を支部に持ち寄る仕組みを確立しましょう。それらを通じて各委員会の専門性を活かした研修活動で多くの会員が学べる場を設け、人を生かす経営の実践に広く取り組みます。
d) 今般の新型コロナウイルス感染拡大による影響をはじめとする経営環境の激変や、突然の自然災害、取引先の非常事態などに迅速に対応できるよう、自社の危機管理や非常時の行動計画の指針となる「事業継続計画(BCP)」【注4】策定の取り組みとその必要性を専門委員会が連携して広めます。
e) 行政機関、教育・研究機関、金融機関などとの連携・協力で経営上の各種課題の解決に向けて情報交換、研修会などの取り組みをすすめます。

3

人材の採用・育成・定着を促進するために、労働環境の整備をすすめ持続的な発展ができる企業を目指しましょう

a) 「働き方改革関連法」の実施を契機に、「労使見解」の精神に基づいた就業規則をつくり、整備・見直しをして、魅力ある企業づくりを進め、若者に選ばれ長く働き続けることのできる企業を築きましょう。『働く環境づくりの手引き』や中同協で監修した『手間なく簡単にできる就業規則のつくり方』も活用し、就業規則の作成・見直しをすすめましょう。
b) 共同求人活動をより多くの企業で取り組み、魅力ある企業づくりで会員企業の採用力を高めます。社員が安心してやりがいをもって働くことができる社内体制づくりを構築し、計画的な人材確保を目指しましょう。あわせて高齢者・障害のある人々・求職困難者など地域で暮らす多くの人々の働く意欲と多様な働き方に応える企業づくりに取り組み、地域経済・社会の持続的発展に寄与していきましょう。
c) 「働くとは」、「共育ちとは」、「人が育つとはどういうことなのか」など、当会の共育理念に則した形で、人育ての根幹に関わる学びあいをすすめていきましょう。

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上記の取り組みをすすめていくに際して、外部機関との連携はさることながら会内においても連携を図り、各種研修会など諸活動を組織的・効率的にすすめていくことを目的に「地域企業づくり連携会議」(仮称)を設置し、これからの会内外の諸活動の連携促進をおこないます。

【注2】 「人を生かす経営」
従業員と経営者との信頼関係を基礎にして、高いモラルのもとで、働いている人たちの自発性と創造性をさらに発揮させるような企業経営。「労使見解」の精神にある人間を人間として尊重する経営姿勢をいいます。なお、「労使見解」とは同友会が1975年に発表した経営者と従業員との関係についての見解=「中小企業における労使関係の見解」を指します。

【注3】 「人を生かす経営」の総合実践
上記の「人を生かす経営」に基づき、①労働環境の整備、②経営指針成文化の実践で成果の出せる企業づくり、③企業変革支援プログラムの活用の推進、④共同求人活動で強い体質の企業へ、⑤「共に育つ」環境づくりを広げ、実践する社員教育活動を、⑥地域の人育てを学校とも連携して、⑦障害者問題について関心を深め、取り組みの輪を広げる、⑧女性が活躍する企業づくりを、⑨多様性の対応を~外国人労働者問題、⑩「持続可能な開発目標」(SDGs)の学びの場を以上のことを指します。(中同協第51回定時総会第3章2019年度の課題と活動方針より抜粋)

【注4】 「事業継続計画(BCP)」
緊急事態に遭遇した場合に、事業資産の損害を最小限にとどめ、事業の継続あるいは早期復旧のために、平常時に行うべき活動や緊急時における事業継続のための方法、手段などを取り決めておく計画のこと。事業と雇用を守り、顧客の信用を維持することにつながります。

地域力強化(地域づくり)

地域企業としての自覚と責務を持ち、地域社会との連携を強め、 持続可能な地域づくりに寄与していこう

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提言「地域経済ビジョン」【京都版】を会内外に発信し、「地域企業」(地域に根ざす中小企業)としての力を発揮し、地域社会の課題解決を目指します
その一里塚としての「中小企業・地域振興基本条例」の制定を促進します

a) 地域内経済循環を高め、地域資源を生かした地域経済の自立化を目指すべく、自社の経営と地域との関わりを関連づけて経営環境改善の運動に取り組みます。
b) 地域経済を支える理念として「中小企業憲章」を広め、自治体での具体化として「中小企業・地域振興基本条例」制定運動をすすめます。行政や他団体、教育機関などの関係者と連携し、施策づくりを共にすすめ、地域経済の持続的発展と国民や地域の幸せが実現できる社会を目指すべく「中小企業・地域振興基本条例」の制定を促進していきましょう。
c) 経営環境改善の運動をすすめるには国や各自治体の中小企業施策の充実・発展が必要です。そのために、他の中小企業団体、金融機関、教育・研究機関、行政機関、報道機関、地域団体やNPOなどと連携・協力をすすめ、それら施策の充実・発展を支える活動をすすめます。
d) エネルギーシフト【注5】をはじめとする持続可能な社会・経済づくりが中小企業の仕事を創出することについての理解を深め、地域経済ビジョン【京都版】に基づいてSDGs・環境経営に取り組みます。

2

地域振興策を学び地域社会との連携を強めます

a) 全支部で対応する市区町村の地域振興策などを学ぶ場を設けて、地域振興における自社の役割を考える機会とします。また京都市内支部では各区の基本計画に関わる場を設け、区役所との連携協定等を視野に入れ、さらに具体的連携をすすめ、地域で自社と同友会の存在意義を発揮し、中小企業への正しい理解を広めます。
b) 各支部は、地域をテーマにした支部例会を当該地域の行政機関や金融機関とも連携して年1回は開催しましょう。その際、当該地域に事業所のある他支部所属会員に必ずe.doyuでの案内および参加促進をおこなうとともに地域の諸団体にも参加を呼びかけるなど、共に学ぶ機会を設け、地域活動のさらなる発展に努めていきます。
c) 各支部で対応する市区町村での地域活性化やまちづくりを促進する事業などに積極的に参加し、地域の諸機関、諸団体との連携を強め、存在感を発揮していきます。
d) 中小企業と学生を結びつける取り組みを積極的におこない、教育・研究機関、行政、地域などと連携して地域の活性化と企業の経営力強化をすすめます。インターンシップやキャリア教育のサポートなどもおこない、中小企業が地域で果たしている役割や魅力を伝えていく活動をすすめます。また大学生だけでなく小・中・高校生など多くの若者にも働くことの意義を伝えていく活動をすすめます。
e) 各支部は、上記の活動を推進するためのしくみづくりをおこない、「支部所属のあるべき姿(事業所もしくは自宅のある行政区に支部移籍して活動する等)」の協議をすすめます。

3

中小企業の政策課題について学びを深めるとともに改善運動をすすめます

例えば、中小企業・小規模事業者の持続的発展のための税制や公正取引、事業承継、経営者保証に関するガイドライン等について、また地域特有の政策課題について学び提案につなげていきましょう。

【注5】「エネルギーシフト」
「エネルギーシフト」とは大きく2つの考え方があります。第1に「エネルギーそのものをシフトする」ことで、3つの方法があります。①省エネ、②地域暖房とコージェネレーション、③再生可能エネルギーの3本柱となっています。第2に「大規模集中型から小規模分散型にシフトする」という意味のエネルギーシフトです。

組織力強化(同友会づくり)

地域の期待と課題に応え、 地域に必要とされる経営者と企業を増やそう

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今年度末を2000名会勢で迎え、新たな半世紀にむけてのスタートを

a) 「本音で語り合える経営者と出会えて、本当に入会して良かった」「同友会で学んで、自分も自社も変わることができた」「経営者として何をすべきか、方向性を確立できた」「同友会で学ぶだけでなく、実践して成果を出せた」など、入会者の多くは会の魅力を感じています。この魅力を発信することで会員の参加率を高め、学びを力に自立・安定した黒字経営をめざし、地域に必要とされる企業づくりをすすめましょう。
b) 会員による経営強化の実践事例を交流し、そのなかで会の魅力を語り広げ、多くの入会者を迎えましょう。各支部とも入会率と参加率を高め、活性化を図っていきましょう。
 【入会率=期首会員数に対する入会推薦実績人数の比率】
c) 役員は「同友会の魅力」「自らの成長」を率先して発信しましょう。支部幹事・支部長・理事は、同友会での学びを自社経営で具体的に実践し、会員訪問や例会での事例報告等様々な機会に、その成果を言葉と行動で伝え、率先して新たな入会者を迎えましょう。加えて「同友会のおかげで・・」と言える会員を増やし会員増強につなげていきましょう。
d) 専門・運営委員会や各部会はそれぞれの特徴的な取り組みを通じて外部に会の魅力を発信し交流をすすめ、積極的に入会者を迎えましょう。

2

よりよい企業を増やし、地域の維持・発展をはかります

a) 同友会で学ぶ企業が増えるということは、経営指針を確立し、社会的存在意義を高め、社会的使命感をもって事業活動を行う企業が増えることです。国民や地域と共に歩む仲間の輪を広げましょう。
b) 同友会で学ぶ企業が増えると、自主性を発揮する社員が育つ企業が増え、社員同士が共に育ち合う企業が多く生まれることにつながります。「人を生かす経営」に取り組む仲間の輪を広げ、地域を支える担い手を増やしましょう。
c) 同友会に参加する企業が増えると、企業間ネットワークや産学官の連携強化を促進し、新しい市場の創造、雇用拡大への力となります。地域でのネットワークを広げましょう。
d) 会員交流を土台にして、会員同士が地域での連携を深め、自治会や学区など地域を単位とした組織での会員増強も視野に入れて取り組みをすすめていきましょう。
e) 同友会理念とは人間が人間らしく豊かに生きていくことを企業づくり、地域づくりの中で誠実に追求していこうという私たち自身の姿勢を示すものです。その姿勢を堅持して、人間を大切にする地域社会を創造し、学びあう仲間を増やしましょう。
f) 支部や支部内の小グループ等での日常的継続的な会員訪問の促進や会員間交流をすすめることで経営課題や悩みが率直に語り合える場をつくり、会員相互の「顔と企業が見える」関係づくりをさらにすすめていきましょう。

3

ホームページとe.doyu【注6】を活用して、情報の発信力・共有力を高め、会の活動と運動の活性化に取り組みます

a) 近隣の会員とともに地域の課題についても考え、企業として、同友会としての取り組みを促進します。
b) 会外への情報発信をメインとしたホームページの更新に力を入れ、ホームページを見て「事業に参加したくなる」「同友会に入会したくなる」ような情報の提供と内容の充実をはかります。
c) 地域の関係諸機関等から寄せられる中小企業の経営改善に関する各種情報についてe.doyuを活用して会内発信を促進します。

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ビジョン検討小委員会を再開し、2030年を展望し、企業像・経営者像・同友会像において、ありたい姿「第8次ビジョン」(仮称)の作成に着手します。
 

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経営者団体としての社会的位置づけや将来像を見据えて、昨年立ち上げた法人化検討プロジェクトでの協議内容を踏まえ、次年度(2021年度)法人化に向けて、具体的検討をすすめ、会内に提起していきます。

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新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、当会に対策本部を設置し、対応していきます。

【注6】 「e.doyu」
グループウェアと呼ばれるソフトウェアで、特定のグループに所属する人たちがインターネットを使い情報を共有して意思の疎通を図るためのツールです。例会などの案内送信と出欠回答がパソコンや携帯電話ででき、参加登録状況や資料などが閲覧できます。京都同友会では2011年7月から全会員が使用できる環境にしています。