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  • 京都中小企業家同友会事務局
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今期活動方針

2021年度(第52期)活動方針

「今こそ学んで実践!~50年の英知を結集し、 新たな半世紀を切り開こう!~」

基本方針

昨年より全世界に広まった新型コロナウイルス感染症の拡大を受けて、私たちの経営環境は一変し、その影響は多くの業種業態におよんでいます。しかし、私たちが掲げる経営理念や同友会理念は、時々の情勢によって揺らぐものではありません。コロナ禍だからこそ、同友会理念の飽くなき実践で企業活動、同友会運動を力強くすすめる時です。あらためて「1社もつぶさない!雇用と地域を守り抜く!」を合言葉に知恵と力を出し合い、終焉の見えない新型コロナウイルスによる危機を乗り切り、地域づくりの核となる経営者団体となっていきましょう。

当会の活動や運動の大前提は、会の「三つの目的」で一致した「学び実践する経営者の組織」だという点にあります。支部例会をはじめとするすべての分野の活動で「三つの目的」を基礎とした「学びあう例会」を土台とし、「顔と企業が見える」交流を促進しながら、「心から話し合える仲間」を増やしてきました。また、企業経営の根幹である経営理念の確立をはじめ、「人間尊重の経営」「中小企業における労使関係の見解」の観点での経営指針の成文化と社内での共有、そして社外への発信による自社の社会的な位置づけの明確化なども重視して取り組んできました。

新型コロナウイルスの感染拡大をはじめとして、昨今は外部環境の変化が目まぐるしく起き、これまでの延長線上の取り組みや過去の強みなどが通じない情勢の真っただ中にあって、経営を維持・発展させなければなりません。本年2021年をまさに抜本的経営改革元年と位置付けてコロナ禍における時代の変化を読み解き、同友会理念に基づく経営指針書の作成・見直し・実践で企業活動、同友会運動を力強くすすめることが求められています。激変する中小企業をめぐる国内外の経済情勢を掴み、時代認識を深めていくことでこれからの企業経営の方向性を指し示す確固たる羅針盤(経営指針)を確立していきます。IoT、AIなど今日の技術革新の流れを積極的に取り入れることでビジネスモデルの変革やDX(デジタルトランスフォーメーション)【注1】につなげていきましょう。また、SDGs(持続可能な開発目標)【注2】に対する意識を高め、それぞれの目標と日々の事業活動とを積極的に引き寄せて経営を推し進めるなど社会情勢の変化に適応した企業づくりが重要になっています。あわせて会員同士のつながりを生かして企業連携をすすめ、アフター・コロナに向けて新しい商品やサービスの開発などに取り組んでいきましょう。当会の緊急提言「第二の創業を目指して」(2002年)では、時代状況を「成り行き経営では経営基盤が崩壊する時期であり、創業的発想で事業を見直し、再構築する時」だと指摘しましたが、あらためてこの観点をもつことが必要です。

「中小企業憲章」(2010年6月18日閣議決定)では、その冒頭において「中小企業は、経済を牽引する力であり、社会の主役である。常に時代の先駆けとして積極果敢に挑戦を続け、多くの難局に遭っても、これを乗り越えてきた」と位置付けています。私たちはここに誇りをもち、全会の取り組みで、“地域になくてはならない地域企業”となり、“真に豊かな地域づくりの核となる経営者団体”を目指して成長していきましょう。
私たちが進めていく同友会運動は、時代とともに評価も高まり、新しい時代に向けて期待も高まっています。その期待に応えていくのは私たち会員一人ひとりです。いかなる経営環境においても経営者の責任を自覚し、人を生かす経営の総合実践により、社員一人ひとりが持つ能力が最大限に発揮される環境を整え、活力に満ちた強靭な企業体質をつくりましょう。そして地域への影響力をさらに高めるために、地域の多くの経営者にも声を掛け、仲間の輪を広げ、豊かな地域社会の持続的発展に寄与していきましょう。

【注1】DX(デジタルトランスフォーメーション)
企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革するとともに、業務そのものや組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、企業の競争優位性を確立すること。
【注2】SDGs(持続可能な開発目標)
2015年9月の国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」にて記載された2016年から2030年までの国際目標です。格差の問題、持続可能な消費や生産、気候変動対策、平和と公正など、先進国が自らの国内で取り組まねばならない課題を含む全ての国に適用される普遍的(ユニバーサル)な目標で17のゴール・169のターゲットから構成され,地球上の誰一人として取り残さない(leave no one behind)ことを誓っています。

重点方針

経営力強化(企業づくり)

どんな困難にあっても経営を維持・発展させましょう ~コロナ禍だからこそ「労使見解」に学び、人を生かす経営【注3】の 総合実践で、同友会らしい企業づくりをすすめよう~ 

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経営指針成文化とその実践の取り組みの発展・強化をすすめます 

a)第5期「人を生かす経営」実践塾(経営指針成文化講座)の開講
各委員会と地域会との連携を強化し、経営姿勢の確立と経営指針成文化およびその実践の取り組みをすすめ、お互いの経営実践を交流し、「学んで実践」の輪を広げます。

b)支部例会と委員会などが設営する研修活動で、経営指針書の成文化と実践、見直しの取り組みを強化します。その過程で、『人を生かす経営』、『経営指針成文化と実践の手引き』、『企業変革支援プログラムSTEP1、STEP2』の活用と普及を推進します。あわせて企業変革支援プログラムSTEP1のe.doyu登録を経営指針成文化の実践と捉えて成文化率の向上とともに推進していきます。

c)経営環境の激変、突然の自然災害や取引先の非常事態などに迅速に対応できるよう、自社の危機管理や非常時の行動計画の指針となる「事業継続計画(BCP)」【注4】策定の取り組みとその必要性を専門委員会が連携して広めます。

d)国内外の経済情勢等を学ぶ機会を各関係諸機関とも連携して増やし、そのもとで自社経営がどうあるべきなのか、大きな視野でこれからの経営を考え、変化に適応した企業づくりを推し進めていく一助となる取り組みを強めます。 

e)京都経営研究集会について、開催時期・開催形態を検討して、実施します。

f)2022年度の同友会大学開講を目指して準備を進めます。

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支部例会や研修活動でお互いの経営を語り合いましょう

a)支部例会は会員にとって身近に同友会の魅力が実感できる場です。会員の経営実践事例の報告を中心にアフター・コロナに向けた取り組み(抜本的な経営改革事例、事業領域の見直し、新商品・サービスの展開例、デジタル化への対応等)を会員同士が交流しあい、お互いの気づきを伝え合い、経営課題を探り向き合える場としていきましょう。

b)専門委員会は、日常活動を通じて経営課題に関わる情報提供をおこない、支部例会の充実・強化をはかるためにサポートをすすめます。また、各支部は積極的に委員会登録をすすめ、情報を支部に持ち寄る仕組みを確立しましょう。

c)専門委員会は、各委員会の専門性を活かした研修活動などを通じて多くの会員が学べる場を設け、「労使見解」の精神を基にした人間尊重の経営とその実践に広く取り組みます。

d)行政機関、教育・研究機関、金融機関などとの連携・協力で経営上の各種課題の解決に向けて情報交換、研修会などの取組みをすすめます。

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人材の採用・育成・定着を促進するために、労働環境の整備をすすめ持続的な発展ができる企業を目指しましょう

a)誰もが地域で安心して長く働き続けることのできる企業づくりの第一歩は就業規則の整備です。そしてさらには経営者と社員とでその共有が大切です。経営指針成文化の取り組みと一体のものとして、労働関係法規に適合した就業規則を整備し、雇用の維持と拡大をはかりましょう。『働く環境づくりの手引き』や中同協で監修した『手間なく簡単にできる就業規則のつくり方』も活用し、就業規則の作成・見直しをすすめましょう。

b)共同求人活動をより多くの企業で取り組み、魅力ある企業づくりで会員企業の採用力を高めます。社員が安心してやりがいをもって働くことができる社内体制づくりを構築し、計画的な人材確保を目指しましょう。あわせて高齢者・障害のある人々・求職困難者・外国人(留学生)など地域で暮らす多くの人々の働く意欲と多様な働き方に応える企業づくりに取り組み、地域経済・社会の持続的発展に寄与していきましょう。

c)「働くとは」、「共育ちとは」、「人が育つとは」どういうことなのかなど、当会の共育理念に則した形で、人育ての根幹に関わる学びあいをすすめていきましょう。

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上記の取り組みをすすめていくに際して、外部機関との連携はさることながら会内においても連携を図り、各種研修会など諸活動を組織的・効率的にすすめていくことを目的に「地域企業づくり連携本部」(仮称)を設置します。

【注3】「人を生かす経営」
従業員と経営者との信頼関係を基礎にして、高いモラルのもとで、働いている人たちの自発性と創造性をさらに発揮させるような企業経営。「労使見解」の精神にある人間を人間として尊重する経営姿勢をいいます。なお、「労使見解」とは同友会が1975年に発表した経営者と従業員との関係についての見解=「中小企業における労使関係の見解」を指します。

【注4】「事業継続計画(BCP)」
緊急事態に遭遇した場合に、事業資産の損害を最小限にとどめ、事業の継続あるいは早期復旧のために、平常時に行うべき活動や緊急時における事業継続のための方法、手段などを取り決めておく計画のこと。事業と雇用を守り、顧客の信用を維持することにつながります。

地域力強化(地域づくり)

「国民や地域とともに歩む」中小企業と同友会の姿を地域に示していきましょう ~地域企業としての自覚と責務を持ち、地域社会との連携を強め  豊かな地域社会の持続的発展に寄与していこう~

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中小企業憲章と提言「地域経済ビジョン」【京都版】の再学習に取り組みましょう。「地域企業」(地域に根ざす中小企業)としての力を発揮し、地域社会の課題解決を目指します。そのことを通じて「中小企業・地域振興基本条例」の制定を促進します

a)中小企業憲章と提言「地域経済ビジョン」【京都版】の再学習をすすめ、中小企業が地域になくてはならない存在であることを語り広げていきましょう。

b)地域内経済循環を高め、地域資源を生かした地域経済の自立化を目指すべく、自社の経営と地域との関わりを関連づけて経営環境改善の運動に取り組みます。

c)地域経済を支える理念として「中小企業憲章」を広め、自治体での具体化として「中小企業・地域振興基本条例」制定運動をすすめます。行政や他団体、教育機関などの関係者と連携し、施策づくりを共にすすめ、地域経済の持続的発展と国民や地域の幸せが実現できる社会を目指すべく「中小企業・地域振興基本条例」の制定を促進してきましょう。

d)経営環境改善の運動をすすめるには国や各自治体の中小企業施策の充実・発展が必要です。そのために、他の中小企業団体、金融機関、教育・研究機関、行政機関、報道機関、地域団体やNPOなどと連携・協力をすすめ、それら施策の充実・発展を支える活動をすすめます。

e)持続可能な社会・経済環境をつくるため、また地域を維持し中小企業の仕事を創出するために、地球環境と調和した経営のあり方やエネルギー利用のあり方(「エネルギーシフト」【注5】)を学ぶ機会をもちます。

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地域振興策を学び地域社会との連携を強めます

a)全支部で対応する市区町村の地域振興策などを学ぶ場を設けて、地域振興における自社の役割を考える機会とします。また京都市内支部では各区の基本計画に関わる場を設け、区役所との連携協定等を視野に入れ、さらに具体的連携をすすめ、地域で自社と同友会の存在意義を発揮し、中小企業への正しい理解を広めます。

b)各支部は、地域をテーマにした支部例会を当該地域の行政機関や金融機関とも連携して開催しましょう。その際、当該地域に事業所のある他支部所属会員に必ずe.doyuでの案内および参加促進をおこなうとともに地域の諸団体にも参加を呼びかけるなど、共に学ぶ機会を設け、地域活動のさらなる発展に努めていきます。

c)各支部で対応する市区町村での地域活性化やまちづくりを促進する事業などに積極的に参加し、地域の諸機関、諸団体との連携を強め、存在感を発揮していきます。

d)中小企業と学生を結びつける取り組みを積極的におこない、教育・研究機関、行政、地域などと連携して地域の活性化と企業の経営力強化をすすめます。インターンシップやキャリア教育のサポートなどもおこない、中小企業が地域で果たしている役割や魅力を伝えていく活動をすすめます。また学生だけでなく小・中・高校生など多くの若者にも働くことの意義を伝え、将来の地域の担い手づくりの活動をすすめます。

e)各支部は、上記の活動を推進するためのしくみづくりをおこない、「支部所属のあるべき姿(事業所もしくは自宅のある行政区に支部移籍して活動する等)」の協議をすすめます。

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中小企業の政策課題について学びを深めるとともに改善運動をすすめます

例えば、中小企業・小規模事業者の持続的発展のための税制や公正取引、事業承継、経営者保証のガイドラインなどの学びを深めていきます。

【注5】「エネルギーシフト」
「エネルギーシフト」とは大きく2つの考え方があります。第1に「エネルギーそのものをシフトする」ことで、3つの方法があります。①省エネ、②地域暖房とコージェネレーション、③再生可能エネルギーの3本柱となっています。第2に「大規模集中型から小規模分散型にシフトする」という意味のエネルギーシフトです。

組織力強化(同友会づくり)

「危機の時こそ同友会 」「声を掛け合う経営者仲間づくり」 ~地域の期待と課題に応え、地域に必要とされる経営者と企業を増やそう~

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新たな半世紀にむけてスタートの1年、増え続ける組織づくりをおこない、期首会員数で実増5%を目指します。

a)「本音で語り合える経営者と出会えて、本当に入会して良かった」「同友会で学んで、自分も自社も変わることができた」「会の仲間の励ましを受けて、コロナ禍でも頑張れた」など、入会者の多くは会の魅力を感じています。今回の災禍は長期化することが予想されています。会員同士声を掛け合い、また周りの経営者にも声を掛け、会の魅力を発信することで会員の参加率を高め、共にこの難局を乗り越えていこうとする経営者を増やすことで、コロナ禍であっても自立・安定した黒字経営をめざし、地域に必要とされる企業づくりをすすめましょう。

b)会員によるアフター・コロナに向けた経営強化の実践事例を交流し、そのなかで会の魅力を語り広げ、多くの入会者を迎えましょう。各支部とも入会率と参加率を高め、活性化を図っていきましょう。【入会率=期首会員数に対する入会推薦実績人数の比率】

c)役員は「同友会の魅力」「自らの成長」を率先して発信しましょう。
支部幹事・支部長・理事は、同友会での学びを自社経営で具体的に実践し、会員交流や例会での事例報告等様々な機会に、その成果を言葉と行動で伝え、率先して新たな入会者を迎えましょう。加えて「入会して良かった」と言える会員を増やし会員増強につなげていきましょう。

d)支部例会をはじめ各種研修会ではコロナ禍の現状を踏まえた上でより良い運営スタイルを追求し、ネット・オンラインの利活用もすすめ、柔軟に対応してきましょう。

e)青年経営者と女性経営者のそれぞれが抱える課題や関心事に対応して、活力を生かす活動の充実をさらにすすめていきましょう。

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広報・情報化をすすめ、ホームページとe.doyu【注6】、LINE公式アカウント等を積極的に活用していきます。

a)会外への情報発信をメインとしたホームページの更新に力を入れ、会活動の魅力を積極的に発信していくことで会員増強を促進していきます。

b)会員の役に立つ情報の発信力・共有力を高め、アフター・コロナを見据えた会活動と運動の活性化に取り組みます。

c)地域の関係諸機関等から寄せられる中小企業の経営改善に資する各種情報についてe.doyuを活用し会内発信を促進します。

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よりよい企業を増やし、地域の維持・発展をはかります

a)同友会で学ぶ企業が増えるということは、経営指針を確立し、社会的存在意義を高め、社会的使命感をもって事業活動を行う企業が増えることです。国民や地域と共に歩む仲間の輪を広げましょう。

b)同友会で学ぶ企業が増えると、自主性を発揮する社員が育つ企業が増え、社員同士が共に育ち合う企業が増えることにつながります。「人を生かす経営」に取り組む仲間の輪を広げ、地域を支える担い手を増やしましょう。

c)同友会に参加する企業が増えると、企業間ネットワークや産学官の連携強化を促進し、新しい市場の創造、雇用拡大への力となります。地域でのネットワークを広げましょう。

d)会員交流を土台にして、会員同士が地域での連携を深め、自治会や学区単位での会員増強も視野に入れて取り組みをすすめていきましょう。

e)同友会理念とは人間が人間らしく豊かに生きていくことを企業づくり、地域づくりの中で誠実に追求していこうという私たち自身の姿勢を示すものです。その姿勢を堅持して、人間を大切にする地域社会を創造し、学びあう仲間を増やしましょう。

f)支部や支部内の小グループ等での日常的継続的な会員訪問の促進や会員間交流が有効です。会員相互の「顔と企業が見える」関係づくりをさらにすすめていきましょう。

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ビジョン検討小委員会を開設し、2025年を展望した、ありたい姿「第8次ビジョン」(仮称)を作成・発表します。
 

【注6】「e.doyu」
グループウェアと呼ばれるソフトウェアで、特定のグループに所属する人たちがインターネットを使い情報を共有して意思の疎通を図るためのツールです。例会などの案内送信と出欠回答がパソコンや携帯電話ででき、参加登録状況や資料などが閲覧できます。京都同友会では2011年7月から全会員が使用できる環境にしています。