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今期活動方針

2022年度(第53期)活動方針

「不確実な今こそ、経営指針!」

基本方針

当会の活動や運動の大前提は、会の「三つの目的」で一致した「学び実践する経営者の組織」だという点にあります。支部例会をはじめとするすべての分野の活動で「三つの目的」を基礎とした「学びあう例会」を土台とし、「顔と企業が見える」交流を促進しながら、「心から話し合える仲間」を増やしてきました。また、企業経営の根幹である経営理念の確立をはじめ、「人間尊重の経営」「中小企業における労使関係の見解」の観点での経営指針の成文化と社内での共有、そして社外への発信による自社の社会的な位置づけの明確化なども重視して取り組んできました。

昨今は、新型コロナウイルスの感染拡大をはじめとして、外部環境の変化が目まぐるしく起き、これまでの延長線上の取り組みや過去の強みなどが通じない情勢の真っただ中にあります。

しかし、私たちが掲げる経営理念や同友会理念は、時々の情勢によって揺らぐものではありません。

激変する中小企業をめぐる国内外の経済情勢を掴み、時代認識を深めていくことで、これからの企業経営の方向性を指し示す確固たる羅針盤(経営指針)を確立していきます。

なかでも、わたしたちが存在する地域の課題を発見し、その解決に向けて事業として取り組むことで、地域の持続可能な発展に務めれば、自社の経営もこれに伴って維持・発展させることが可能となります。

地域課題を企業課題として捉えることを重視した事業の再構築や事業定義の見直しをすすめ、経営指針に地域づくりを盛り込み、地域に深く根ざした「地域企業」となりましょう。

「中小企業憲章」(2010年6月18日閣議決定)では、その冒頭において「中小企業は、経済を牽引する力であり、社会の主役である。常に時代の先駆けとして積極果敢に挑戦を続け、多くの難局に遭っても、これを乗り越えてきた」と位置付けています。私たちはここに誇りをもち、全会の取り組みで、“地域になくてはならない地域企業”となり、“幸せに暮らせる地域づくりの核となる経営者集団”を目指して成長していきましょう。

私たちが進めていく同友会運動は、時代とともに評価も高まり、新しい時代に向けて期待も高まっています。その期待に応えていくのは私たち会員一人ひとりです。いかなる経営環境においても経営者の責任を自覚し、人を生かす経営の総合実践により、社員一人ひとりが持つ能力が最大限に発揮される環境を整え、活力に満ちた強靭な企業体質をつくりましょう。そして地域への影響力をさらに高めるために、地域の多くの経営者にも声を掛け、仲間の輪を広げ、豊かな地域社会の持続的発展に寄与していきましょう。

重点方針

経営力強化(企業づくり)

「労使見解」を深く学び、人を生かす経営の総合実践により 社会課題と向き合う強靭な体質の企業づくりをすすめます。

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経営指針成文化とその実践の取り組みの発展・強化をすすめます

a)第6期「人を生かす経営」実践塾(経営指針成文化講座)の開講
各専門委員会と各地域会との連携を強化し、経営姿勢の確立と経営指針成文化および、成文化後の実践交流を促進させ、「学んで実践」の輪を広げます。

b)支部例会と委員会などが設営する研修活動では、経営指針書の成文化と実践に繋がる学びや見直しの取り組みを強化します。その過程で、『人を生かす経営』、『経営指針成文化と実践の手引き』、『企業変革支援プログラム』の活用と普及を推進します。

c)経営環境の激変、突然の自然災害や取引先の非常事態などに迅速に対応できるよう、自社の危機管理や非常時の行動計画の指針となる「事業継続計画(BCP)」策定の取り組みとその必要性を専門委員会が連携して広めます。

d)国内外の経済情勢等を学ぶ機会を各関係諸機関とも連携して増やし、そのもとで自社経営がどうあるべきなのか、大きな視野でこれからの経営を考え、変化に適応した企業づくりを推し進めていく一助となる取り組みを強めます。

e) 地域課題を企業課題として捉え、自社の経営指針書に地域課題とその解決に向けての方針を盛り込む大切さを学び、その取り組みを促進します。
f) 上記の集大成としての学びの場である第23回京都経営研究集会の開催準備をすすめます。

g) 同友会大学(仮称)の準備をはじめ、早期に開講を目指します。

h) 同友会における学びの体系の整備をすすめていきます。 

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支部例会や研修活動でお互いの経営を語り合います

a) 支部例会は会員にとって身近に同友会の魅力が実感できる場です。会員の経営実践事例の報告を中心にウィズコロナ、アフターコロナに向けた取り組み(抜本的な経営改革事例、事業再構築、事業定義や領域の見直し、新商品・サービスの展開例、デジタル化への対応等)を会員同士が交流しあい、お互いの経験談や気づきを伝え合い、経営課題を探り向き合える場をつくっていきます。

b) 専門委員会は、日常活動を通じて経営課題に関わる情報提供をおこない、支部例会の充実・強化をはかるためにサポートをすすめます。また、各支部は積極的に委員会登録をすすめ、情報を支部に持ち寄る仕組みを確立していきます。

c) 専門委員会は、各委員会の専門性を活かした研修活動などを通じて多くの会員が学び、実践に結びつける場を設け、「労使見解」の精神を基にした人間尊重の経営とその実践に広く取り組みます。  

d) 行政機関、教育・研究機関、金融機関などとの連携・協力で経営上の各種課題解決に向けて情報交換、研修会などの取組みをすすめます。

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人材の採用・育成・定着を促進するために、労働環境の整備をすすめ持続的な発展ができる企業を目指します

a) 誰もが地域で安心して長く働き続けることのできる企業づくりの第一歩は就業規則の整備です。そしてさらには経営者と社員とでその共有が大切です。経営指針成文化の取り組みと一体のものとして、労働関係法規に適合した就業規則を整備し、雇用の維持と拡大をはかります。『働く環境づくりの手引き』や中同協で監修した『就業規則のつくり方』も活用し、就業規則の作成・見直しをすすめます。

b)共同求人活動をより多くの企業で取り組み、魅力ある企業づくりで会員企業の採用力を高めます。社員が安心してやりがいをもって働くことができる社内体制づくりを構築し、計画的な人材確保を目指します。あわせて高齢者・障害のある人々・求職困難者・外国人(留学生)など地域で暮らす多くの人々の働く意欲と多様な働き方に応える企業づくりに取り組み、地域経済・社会の持続的発展に寄与していきます。

c)当会の労使見解に基づき共に育ち合う土壌づくり(企業づくり)をすすめましょう。

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新たな仕事づくりと市場創造で企業体質の強化をめざします

a) 産官学金報それぞれ関係機関との連携や会員間の連携をさらに推し進めることで新たな仕事づくりをすすめます。
  
b) 後継者問題、事業承継・継続への取り組みを強化していきます。
  
c) 持続可能な社会・経済環境をつくるため、また地域を維持し中小企業の仕事を創出するために、地球環境と調和した経営のあり方やエネルギー利用のあり方(「エネルギーシフト」)を学ぶ機会を持つなど、環境経営の実践を推し進めます。

地域力強化(地域づくり)

地域企業としての自覚と責務を持ち、地域社会との連携を強め 、豊かな地域社会の持続的発展に寄与していこう

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地域課題と経営課題を一体のものとして捉えて、地域と向き合う企業経営を学び、実践していきましょう。そのことを通して中小企業の政策課題について深め、経営環境の改善運動をすすめます

a)中小企業憲章と地域経済ビジョン【京都版】の学習機会を地域会や支部で積極的に設けて理解を深め、これにより中小企業が地域になくてはならない存在であることを語り広げていきましょう。
さらに、「地域企業」(地域に根ざす中小企業)としての力を発揮し、地域社会の課題解決を目指していきましょう。

b) 地域内経済循環を高め、地域資源を生かした地域経済の自立化を目指すべく、自社の経営と地域との関わりを関連づけ、地域課題の解決を自社の経営課題とする共通価値の創造に取り組みましょう。これらの取り組みを仲間とともに協働してすすめていきましょう。

c) 地域の課題を経営課題と捉えて自社経営をすすめ、政策要望や提言にもつなげていきましょう。

d) 中小企業・小規模事業者の持続的発展のための法制や税制、公正取引、事業承継、経営者保証のガイドラインなどの学びを深めていきます。

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地域振興策を学び地域社会との連携を強めます

a)全支部で対応する市区町村の地域振興策やまちづくり計画などを学ぶ場を設けて、地域振興における自社の役割を考える機会とします。
また京都市内支部では各区の基本計画に関わる場を設け、区役所との連携協定等を視野に入れ、さらに具体的連携をすすめ、地域で自社と同友会の存在意義を発揮し、中小企業への正しい理解を広めます。

b)各支部は、地域をテーマにした支部例会を当該地域の行政機関や金融機関とも連携して開催しましょう。その際、当該地域に事業所のある他支部所属会員に必ずe.doyuでの案内および参加促進をおこなうとともに地域の諸団体にも参加を呼びかけるなど、共に学ぶ機会を設け、地域活動のさらなる発展に努めていきます。

c) 各支部で対応する市区町村での地域活性化やまちづくりを促進する事業などに積極的に参加し、地域の諸機関、諸団体との連携を強め、存在感を発揮していきます。

d)中小企業と学生を結びつける取り組みを積極的におこない、教育・研究機関、行政、地域などと連携して地域の活性化と企業の経営力強化をすすめます。インターンシップやキャリア教育のサポートなどもおこない、中小企業が地域で果たしている役割や魅力を伝えていく活動をすすめます。また学生だけでなく小・中・高校生など多くの若者にも働くことの意義や中小企業の存在を伝え、将来の地域の担い手づくりの活動をすすめます。

e) 各支部は、上記の活動を推進するためのしくみづくりをおこない、「支部所属のあるべき姿(事業所もしくは自宅のある行政区に支部移籍して活動する等)」の協議をすすめます。 

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「中小企業・地域振興基本条例」の制定を促進していきます

a)地域経済を支える理念として「中小企業憲章」を広め、自治体での具体化として「中小企業・地域振興基本条例」制定運動をすすめます。行政や他団体、教育機関などの関係者と連携し、施策づくりを共にすすめ、地域経済の持続的発展と国民や地域と共に幸せが実現できる社会を目指していきましょう。あわせて、条例の制定だけではなく、その継続・発展・活用も念頭に入れ活動をすすめます。

b)経営環境改善の運動をすすめるには、国や各自治体の中小企業施策の充実・発展が必要です。そのために、行政機関、教育・研究機関、金融機関、他の中小企業団体、報道機関、地域団体やNPOなどと連携・協力をすすめ、それら施策の充実・発展を支える活動をすすめます。

※地域企業づくり連携本部準備会議において、上記の取り組みをすすめることを主眼に置いて会内外の更なる連携の強化と改善をすすめ、地域企業づくりを通して真の地域力強化につなげていきます

組織力強化(同友会づくり)

~地域の期待と課題に応え、地域に必要とされる経営者と企業を増やそう~ 人を大切にする仲間が増え地域になくてはならない会づくりを

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第8次ビジョン推進会議において、2025年を展望した目指すべき企業像・経営者像・ 同友会像にむけての進捗を確認し、全会員でビジョン実現に向けて取り組んでいきます 

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第8次ビジョンに則して2025年対企業組織率7%(2222名)を展望し、今年度末に1882名会員を目指します

a)「本音で語り合える経営者と出会えて、本当に入会して良かった」「同友会で学んで、自分も自社も変わることができた」「会の仲間の励ましを受けて、コロナ禍でも頑張れた」など、入会者の多くは会の魅力を感じています。会員同士が声を掛け合い、また周りの経営者にも声を掛け、お互いが高まり合いの精神で会の魅力を発信していきましょう。会員の参加率を高め、共に高めあえる経営者を増やすことで、コロナ禍であっても自立・安定した黒字経営をめざし、地域に必要とされる企業づくりをすすめましょう。

b) 各支部は入会率を高め、多くの新入会員を迎えましょう。また、事業への参加を促進し活性化をはかることで会員の退会を減らしましょう。入会者を増やし、退会を抑えることで支部の実増をはかり、目標達成に向けて取り組みましょう。委員会活動においても支部の取り組みを積極的に支援します。
【入会率=期首会員数に対する入会推薦実績人数の比率】

c) 役員や役員経験者は「同友会の魅力」「自らの成長」を率先して発信しましょう。
支部幹事・支部長・理事は、同友会での学びを自社経営で具体的に実践し、会員訪問や例会での事例報告等様々な機会に、その成果を言葉と行動で伝え、率先して新たな入会者を迎えましょう。加えて「入会して良かった」と言える会員を増やし会員増強につなげていきましょう。

d)支部例会をはじめ各種研修会ではコロナ禍の現状を踏まえた上でより良い運営スタイルを追求し、ネット・オンラインの利活用もすすめ、柔軟に対応してきましょう。

e) 青年経営者と女性経営者のそれぞれが抱える課題や関心事に対応して、活力を生かす活動の充実をさらにすすめていきましょう。

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広報・情報化をすすめ、ホームページ等を積極的に活用していきます

a)支部や委員会をはじめすべての組織が積極的に会外への情報発信を行いましょう。ホームページの更新に力を入れ、会活動の魅力を積極的に発信していくことで会員増強を促進していきます。

b)機関紙「同友京都」等の活用を通して、会員の役に立つ情報の発信力・共有力を高め、ウィズコロナにおける会活動と運動の活性化に取り組みます。

c) 地域の関係諸機関等から寄せられる中小企業の経営改善に資する各種情報についてe.doyu【注】を活用し会内発信を促進します。

【注】「e.doyu」
グループウェアと呼ばれるソフトウェアで、特定のグループに所属する人たちがインターネットを使い情報を共有して意思の疎通を図るためのツールです。例会などの案内送信と出欠回答がパソコンや携帯電話ででき、参加登録状況や資料などが閲覧できます。京都同友会では2011年7月から全会員が使用できる環境にしています。

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よりよい企業を増やし、地域の維持・発展をはかります

a)同友会で学び実践する企業が増えるということは、経営指針を確立し、社会的存在意義を高め、社会的使命感をもって事業活動を行う企業が増えることです。国民や地域と共に歩む仲間の輪を広げましょう。

b)同友会で学び実践する企業が増えると、自主性を発揮する社員が育つ企業が増え、社員同士が共に育ち合う企業が増えることにつながります。「人を生かす経営」に取り組む仲間の輪を広げ、地域を支える担い手を増やしましょう。

c)同友会で学び実践する参加する企業が増えると、企業間ネットワークや産学官の連携強化を促進し、新しい市場の創造、雇用拡大への力となります。地域でのネットワークを広げましょう。 

d)会員交流を土台にして、会員同士が地域での連携を深め、自治会や学区単位での会員増強も視野に入れて取り組みをすすめていきましょう。

e)同友会理念とは人間が人間らしく豊かに生きていくことを企業づくり、地域づくりの中で誠実に追求していこうという私たち自身の姿勢を示すものです。その姿勢を堅持して、人間を大切にする地域社会を創造し、学びあう仲間を増やしましょう。

f) 支部や支部内の小グループ等での日常的継続的な会員訪問の促進や会員同士の交流が有効です。会員相互の「顔と企業が見える」関係づくりをさらにすすめていきましょう。