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今期活動方針

2023年度(第54期)活動方針

「地域と共に きらめく経営」

基本方針

2023年に入って、コロナ禍で抑制されていた需要は回復しつつあるとはいうものの、2022年2月に始まったロシアによるウクライナ侵攻の長期化などにより、石油・ガス・原材料は高止まりを続けていますが、価格転嫁は極めて不十分であり生産性を低下させています。米中経済の失速・減速が個人消費に大きなマイナス要因となる懸念も拭えません。

人手不足を背景として賃金が上昇する傾向にあってこれには誠実に対応する必要があり、他方でデジタル化・脱炭素化の動きが本格化する中で、設備投資などを適切に行う必要があります。これらに対する対応が遅れれば、企業経営に重大な影響が出ることは必至です。

税制についても、本年10月1日から適格請求書(インボイス)制度が始まるとともに、2022年1月1日から施行された電子帳簿保存法の実施宥恕期間(※)は2023年までとされており、これに対する対応も急務です。

このように、私たちを取り巻く外部経営環境には依然厳しいものがあり、近時更にその厳しさを増しています。

しかし、このようなときにこそ、当会が「三つの目的」をはじめ同友会理念で一致した「学び実践する経営者の組織」であることを再認識し、支部例会をはじめとするすべての分野で「学びあう例会」を土台とし、「顔と企業が見える」交流を促進しながら、「心から話し合える仲間」を増やし、企業経営の根幹である経営理念の確立をはじめ、「人間尊重の経営」「中小企業における労使関係の見解」の観点での経営指針の成文化と社内での共有、そして社外への発信による自社の社会的な位置づけの明確化なども重視して取り組んでいきましょう。

「中小企業憲章」(2010年6月18日閣議決定)の冒頭にある「中小企業は、経済を牽引する力であり、社会の主役である。常に時代の先駆けとして積極果敢に挑戦を続け、多くの難局に遭っても、これを乗り越えてきた」との位置付けに誇りをもち、地域課題の解決を自社の事業課題として位置づけ、“地域になくてはならない地域企業”となり、“幸せに暮らせる地域づくりの核となる経営者集団”を目指して成長していきましょう。

わたしたちは、いかなる経営環境においても経営者の責任を自覚し、人を生かす経営の総合実践により、社員一人ひとりが持つ能力が最大限に発揮される環境を整え、活力に満ちた強靭な企業体質をつくります。そして地域への影響力をさらに高めるために、地域の多くの経営者にも声を掛け仲間の輪を拡げるとともに、地域課題の解決のために、産官学金報の相互連携を強め、豊かな地域社会の持続的発展に寄与していきましょう。

※実施宥恕期間(じっしゆうじょきかん)

令和4年1月1日から適用される電子帳簿等保存制度では、メール等で届く請求書・領収書・契約書・見積書等をデータのままで保存しなければならないと定められていますが、改正法の施行までの準備期間が短いことから「宥恕措置」が設けられ、一定の要件を満たしている場合に限り、令和5年12月31日までプリントアウトして保存することが認められています。もっとも一切の電磁的記録の保存義務が免除されるわけではないことに注意が必要です。

重点方針

経営力強化(企業づくり)

「労使見解」を深く学び、人を生かす経営の総合実践により 社会課題と向き合う強靭な体質の企業づくりをすすめます。

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経営指針成文化とその実践の取り組みの発展・強化をすすめます
~経営指針づくりの同友会から、経営指針の実践・採用・共育を一体とした企業づくりをすすめる同友会に~

a) 同友会大学を開講します。研究者・専門家を講師として招き、環境分析(情勢)、経済、哲学、税務・民法・労働法などのテーマを設定し、経営指針書更新の指標となる講座として位置づけ取り組みます。

b) 経営指針成文化講座の開講。本年も経営姿勢の確立と経営指針成文化および成文化後の 実践交流を行い、学びと実践を推進します。

c)第23回京都経営研究集会の開催。京都同友会第8次ビジョンを体現する経営者の実践事例を広く内外に発信し、学びあい、研究することを目的に開催します。

d) 新たな学びの体系を構築します。

e) 後継者問題、事業承継・継続への取り組みを強化していきます。

f) 新たに発刊された『企業変革支援プログラム Ver.2』をはじめ『人を生かす経営』、『経営指針成文化と実践の手引き』 等を積極的に活用し、人を生かす経営の総合実践を推進します。

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人材の採用・育成・定着を促進するために、労働環境の整備をすすめ持続的な発展ができる企業を目指しましょう

a) 急速な少子化による労働人口の減少が進み、中小企業の採用はさらに厳しくなっていきます。共同求人活動をより多くの企業で取り組むことで魅力ある企業づくりを進め、企業の採用力を高め、地元企業で働く社員を増やしていきます。また社員が安心してやりがいを持って働くことができる社内体制を構築し、計画的な人材確保を目指します。

b) 高齢者・障がいのある人々・求職困難者・外国人(留学生)など地域で暮らす多くの人々の働く意欲と多様な働き方に応える企業づくりに取り組み、誰もが幸せに暮らせる地域社会を目指します。

c)誰もが地域で安心して長く働き続ける企業づくりのため、就業規則の整備や働き方の改善を進め雇用の維持と拡大を進めます。

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新たな仕事づくりと市場創造で企業の付加価値を高めます

a) 産官学金報それぞれ関係機関との連携や会員間の連携をさらに推し進めることで新たな仕事づくりをすすめます。

b) 環境経営の実践で持続可能な社会・経済環境をつくり、また地域を維持し中小企業の仕事を創出するために、地球環境と調和した経営のあり方やエネルギー利用のあり方(「エネルギーシフト」)を学ぶ機会づくりを推進します。

地域力強化(地域づくり)

地域企業としての自覚と責務を持ち、地域社会との連携を強め 、豊かな地域社会の持続的発展に寄与していこう

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地域課題と経営課題を一体のものとして捉えて、地域と向き合う企業経営を学び、実践していきましょう。そのことを通して中小企業の政策課題について深め、経営環境の改善運動をすすめます

a) 中小企業憲章と地域経済ビジョン【京都版】の学習機会を地域会や支部で積極的に設けて、地域とは何か、地域企業とは何か、なぜ地域企業として地域の社会課題の解決に尽力する必要があるのかの理解を深め、これにより中小企業として地域になくてはならない存在になっていきましょう。

b) 域内経済循環についての理解を深め、地域資源を生かした地域経済の自立化を目指すベく、自社の経営と地域との関わりを関連づけ、地域課題の解決を自社の経営課題とする共通価値の創造(CSV :Creating Shared Value)に取り組みましょう。また、そのために支部所属等にも意識して活動をすすめていきます。

c)地域課題や経営課題と向き合い、外部経営環境の改善についての政策要望や提言にもつなげていきましょう。

d) 地球環境および自然環境の保全を重要な経営課題と受け止め、環境経営に対する取り組みを強化しましょう。

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地域振興策を学び地域社会との連携を強めます

a)全支部で、対応する市区町村の地域振興策やまちづくり計画などを学ぶ場を設けて、地域振興における自社の役割を考える機会とします。京都市内支部では、各区の基本計画を学ぶ場、関わる場を設け、区役所との連携協定をすすめ、地域企業に対する正しい理解を拡めて、地域の活性化への取り組みを強めます。

b)各支部は、当該地域の行政機関や金融機関とも連携し、地域の諸団体にも参加を呼びかけて、地域をテーマにした支部例会を開催しましょう。

c) 各支部で、対応する市区町村での地域活性化やまちづくりを促進する事業などに積極的に参加し、人口減少をはじめとする地域課題への意識づけと取り組みを強めます。

d)中小企業と学生を結びつける取り組みを積極的におこなうとともに、インターンシップやキャリア教育のサポートなどもおこない、産学双方に有益な連携活動をすすめます。また学生だけでなく、小・中・高校生など多くの若者にも働くことの意義や中小企業の魅力を伝え、将来の地域の担い手づくりの活動をすすめます。

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地域を支える中小企業が地域とともに存在し続ける運動をすすめます。

a) 地域経済を支える理念として「中小企業憲章」を拡め、それぞれの地域の特性を踏まえて、自治体での具体化としての「中小企業地域振興基本条例」制定運動をすすめます。行政や他団体、教育機関などの関係者と連携し、施策づくりを共にすすめ、地域経済の持続的発展と国民や地域と共に幸せが実現できる社会を目指していきましょう。あわせて、条例の継続・発展活用も念頭に入れ活動をすすめます。

b) 経営環境改善の運動をすすめるに際して、行政機関、教育・研究機関、金融機関、他の中小企業団体、報道機関、地域団体やNPOなどと連携・協力をすすめ、それら施策の充実・発展を支える活動をすすめます。

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地域企業づくり連携本部の設置

a) 地域企業づくり連携本部を設置して、会内各部門が行う連携活動の支援、活動内容の共有化を図ります。

b) 地域企業の意義や、地域課題解決の必要性を深めるなど、地域企業づくり推進のための取組みを行います。

組織力強化(同友会づくり)

地域課題と向き合い、地域に必要とされる経営者と企業を増やそう ~人を大切にする仲間が増え地域になくてはならない会づくりをすすめよう~ ~強靱な体質の同友会づくりをすすめ、中小企業の魅力を大いに発信しよう!~

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2025年のあるべき姿をめざして「第8次ビジョン」の目指すべき企業像・経営者像・同友会像にむけての進捗を確認し、全会員でビジョン実現に向けて取り組みを拡げていきます。 

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第8次ビジョンで掲げた2025年対企業組織率7%(2222名)を展望し、今年度末に2000名会員を目指します

a) 地域企業経営者が抱える課題や関心事に真摯に向き合い、課題解決策が見つかる同友会として新たな会員を迎え入れていきます。

b) 長年企業経営をされてきた会員から同友会の本質を学ぶ機会をつくり、すべての会員があてにし、あてにされる環境づくりを行います。また、年齢別・業種別・会歴別・経営課題別等の学びの場を作り、誰もが参加しやすい環境づくりもすすめます。

c) 青年経営者・女性経営者のそれぞれが抱える課題や関心ごとに対応して組織率を高めましょう。青年部会では「京都が誇るリーダー」の輩出をビジョンとして、今後の同友会を担う人材となるため、同友会活動と社業の不離一体の実践をすすめます。女性部会では女性活躍推進の取り組みを通じて、会の女性活躍の状況や課題を抽出し、今後の取り組みの学びと実践をすすめていきます。

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広報・情報化をすすめ、ホームページやSNS等の充実、積極的活用をすすめます

a) ホームページの活用を積極的にすすめ、会内外への発信と会員拡大に寄与していきます。

b) 公式ツイッターアカウント、公式LINEアカウントの活用と充実をはかります。

c) マスメディアとも連携をすすめ、会外への周知や会員拡大のために外部発信力を強化していきます。

d) 同友会の情報発信力を高めるとともに、会員企業の経営事例などの発信をおこなえるように広報委員会が各支部と連携し情報提供、情報共有を行います。

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人を大切にする仲間を増やし、地域の維持・発展をはかります

a) 支部活性の源流となる幹事会の出席率を高め、同友会運動の担い手として支部会員の行事参加率(C数値)や活動実態にも着目し、支部の活性化に取り組みます。

b)支部例会・支部内の小グループ活動等を充実させ、支部会員の「顔と企業が見える」関係づくりを通じて、すべての会員に会の魅力を伝えます。