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同友会からのお知らせ

2021.03.04

中小企業の倒産・廃業を避け、雇用と日本経済を守るために 新型コロナウイルスに関する第2次緊急要望・提言

京都同友会では2月10日に京都府・京都市に対し、「中小企業の倒産・廃業を避け、雇用と日本経済を守るために 新型コロナウイルスに関する第2次緊急要望・提言」を行いました。

「中小企業の倒産・廃業を避け、雇用と日本経済を守るために  新型コロナウイルスに関する第2次緊急要望・提言」

 新型コロナウイルス感染症は、既に各業界に未曾有の規模で極めて深刻な影響を与えておりますが、全国的な患者数の急増や首都圏・近畿圏をはじめ11都府県における緊急事態宣言の発出などにより、その影響がさらに拡大することが懸念され、多くの中小企業が倒産・廃業の危機に追い込まれかねない切迫した事態となっています。

京都府下においても、年末より感染拡大が顕著に表れ、新規の感染者が依然として3桁を推移している状況で、本年1月13日付で緊急事態宣言の実施すべき区域[MT2]になりました。

現下のきわめて厳しい環境下にあっても、中小企業の多くは支援施策等も活用しながら社員の生活と雇用を守るために必死の努力を続けています。現に当会もコロナ対策本部を立ち上げ、会員に対してコロナウイルス感染対策として会議の在り方、例会の在り方等の指針を示し、本来の会の活動を制限されつつも、会員はしっかりとこれを守っています。しかしながら、感染対策の影響の長期化も予想されることから、支援施策を一層拡充させることが求められています。雇用と地域社会を守り、京都経済の崩壊の危機を防ぐためには、中小企業の維持・発展が不可欠です。

以上の観点から、私たちは緊急に、下記のような政策の実施を求めるものです。関係各位の早急なご協力、ご支援をお願いします。

1. 経済・社会活動の本格的再開・維持のために、検査体制の抜本的充実とワクチンの早期普及を図り、医療体制の崩壊を断固として防ぐこと

(1)PCR検査、抗体検査の抜本的拡大・強化
新型コロナウイルスやその変異種の感染拡大を一刻も早く終息させ、経済・社会活動の本格的再開・維持を図ることが中小企業の維持・存続のためにも不可欠である。そのためにも、京都府下の市町村単位でのPCR検査、抗体検査体制の抜本的拡大・強化を行い、あわせてその実施状況や陽性率などに関する地域別の情報を広く府民・市民に公開すること。また、その検査の結果を踏まえて、エリアや業種などを限定した自粛要請と補償を行うこと。ワクチンの接種開始に関しては、対象者、接種場所、接種時期を明確にし、接種状況を府民・市民に公開すること

(2)ホテル療養用の客室の確保
ホテル療養を待機している間に病状が悪化することや、自宅待機中に家庭内感染を広げてしまう事例が多発している状況から、ホテル療養の客室を十分に確保し、感染判明者が速やかにホテル療養に移行できるようにすること

(3)医療従事者のさらなる支援と安全の確保
医療現場では精神的・物理的に過大な負担を強いられつつも、一所懸命に奮闘されている関係者へのさらなる支援として、寄付を募ったり、施設の提供を求めるなど、我々企業にできることを取りまとめるとともに、これを医療現場に通達し適切な支援が行き届くよう体制づくりをすること

2.営業自粛・営業時間短縮・休業による売上減少などに対する補償の充実

(1)店舗毎に営業自粛・営業時間短縮・休業要請などに対する補償を万全に行うこと
感染拡大を抑止するためにも、緊急事態宣言の発出に伴う営業時間短縮や休業などの要請は、その実効性を高める必要があり、そのためにはこれらの要請が補償と一体となっていることが必要である。これらの要請によって生じた売上減少などの中小企業の損失に対しては、府・市として十分な補償を行うこと。補償に際しては、地域の実情に応じて柔軟に活用できる制度とし、売上に応じて補償の額に差異を設けることを検討し、また業種・業態を限定する場合は、これらの要請並びに補償については関連業も含めること

(2)罰則規定を設けることには反対である
十分な補償が実施されていない現状をそのままにして、罰則を先行させることは決して許されてはならない。特別措置法の改正により休業や時短要請などに応じない事業者への罰則を設けることには反対である。

(3)政策決定に際しては、当会をはじめとする諸団体を活用しつつ、十分な説明と終了条件などの見通しを明確にすること
営業時間短縮や休業要請などに係る政策を決定する際には、中小企業や府民・市民の意見を十分に聞いた上で、科学的根拠および終了条件の明確な見通し等について丁寧な説明を行い、多くの府民・市民が納得して協力できるようにすること

3.給付金の拡充・強化

(1)持続化給付金の継続・拡充
上記諸要請による影響の長期化を踏まえ、1回限りではなく継続的に支給できる制度とすること。事業収入減少要件を緩和(拡充)し、より多くの企業を対象とすること。会社単位ではなく、事業所単位での申請や店舗数等に応じた上限の引き上げなどを行うこと。創業して間もない企業も利用しやすい制度とすること。また、感染状況に応じて期限の延長を行うこと

(2)家賃支援給付金の拡充
売上減少要件の対象期間を2020年の3~4月まで拡大すること。貸主が借主の代表取締役の場合や、貸主と借主とが親族関係にあっても、適正な家賃支払いを行っている場合などは対象にすること。この場合においても、感染状況に応じて期限の延長を行うこと

(3)手続きの一層の簡素化・迅速な支給
中小企業の給付金や補助金等の申請手続きについては、ある程度の簡素化が行われつつあるが、一層の簡素化を進めるとともに、申請手続きをサポートする仕組みを強化すること。金融機関にも積極的な支援態勢を促すこと

4.雇用調整助成金特例措置の大幅延長を
雇用調整助成金の特例(緊急対応期間)については2月まで再延長されたが、昨今の全国的な患者数増加傾向や本日現在11都府県に緊急事態宣言が発出されている状況を勘案すると、今後上記諸要請による影響が一層長期化することも懸念される。そのため、ワクチン接種の普及等によって感染症終息の見通しが立つまでの間、あらためて大幅な延長を行うこと

5.きめ細やかな金融支援施策の拡充・強化と円滑化を
全国には多種多様な中小企業が存在することを踏まえ、その多様性に対応したきめ細やかな金融支援施策の一層の拡充・強化を進めること。また、円滑に制度運用が進むよう金融機関の対応を促すこと。

(1)長期資本性ローンの拡充
「新型コロナ対策資本性劣後ローン」については、金利の低減や、協調融資時の保証協会の保証制度の活用および期限の延長や借り換えが行えるように改め、金融機関が一括償還まで資本とみなす制度とすること。また借り手が返済期限を決められる長期資本性ローン(永久劣後ローン)を創設すること

(2)「コロナ特別短期貸付」および「コロナ特別短期保証制度」の創設
今後、上記諸要請による影響の長期化などにより追加的に資金調達が必要となる局面も想定されるため、迅速に資金を調達することができる貸付制度・保証制度として「コロナ特別短期貸付」「コロナ特別短期保証制度」を創設すること。

(3)きめ細やかな金融支援施策の拡充・強化
実質無利子・無担保融資制度の継続、既往債務の条件変更や借り換えの促進、新継続型短期保証制度の拡充、手形貸付や当座貸越枠の拡充などを図り、前例に囚われないあらゆる手法によるきめ細かな金融支援を継続・強化すること。あわせて金融機関にも積極的な支援体勢を促すこと

(4)企業の倒産防止・債務超過企業への支援の強化
資金繰りの悪化等で倒産の危機に瀕し、または債務超過で支払いが困難な企業等に対し、資金援助の知識を持つアドバイザーの派遣や支援窓口の紹介など、経営難にありまたなりつつある経営者が気軽に相談できるわかりやすい窓口を設置すること

6.税金などの減免
地域経済の底割れを防ぐため、売上減少などの影響を受けた企業に対しては、法人府民税・法人市民税・償却資産税の減免を実施すること。また、飲食店の看板等に課している屋外広告物に関する費用の減免を行うこと。

以上